ケリー、バーキン、ジャッキー、ダイアナ。
バッグの名前なのに、どこか聞き覚えがある。
それもそのはず。これらはすべて、実在した女性たちの名前。
彼女たちがバッグを持つ姿は写真に残り、
ファッションアイコンとして世界中の女性を魅了した。
そしていつしか、その名前はバッグの代名詞になっていった。
人の名前が、世界で知られるバッグの名前に。
今回は、今なお愛され続ける5つのバッグを、そのストーリーとともに。
#HERMES |KELLY


もともとの名前は「サック・ア・クロア」。
1930年代から作られていた、エルメスの定番バッグだった。
転機になったのが、1956年。
モナコ公妃となったグレース・ケリーが
妊娠中のお腹を隠すようにこのバッグを抱えている姿が撮影された。
当時、妊娠中の姿を公の場で見せることは今ほど当たり前ではなかった。
彼女が持ったバッグはたちまち注目を集め、写真とともに世界中へ広まっていく。
1977年には正式にサック・ア・クロアから
「ケリー」という名前へ。
item: HERMES 1994 Kelly 28
#HERMES|BIRKIN


1984年、パリからロンドンへ向かう飛行機の中で、
女優で歌手のジェーン・バーキンと、
当時のエルメス社長ジャン=ルイ・デュマが隣り合わせになった。
ジェーンが使っていたのは、何でも詰め込んだ大きなかごバッグ。
その中身が床に散らばったことをきっかけに、
彼女はデュマに「ポケットがあって、使いやすいバッグがあればいいのに」
と話したという。
そこでデュマが、機内でバッグのスケッチを描き始める。
たっぷり荷物が入り、口が大きく開くこと。
さらに、子どもを持つ母親でも使いやすいよう、
哺乳瓶を入れられるスペースまで考えられた。
それが、今では誰もが知るバーキン。
#CHANEL|DIANA


「ダイアナ」は正式名称ではなく
「クラシック フラップバッグ」と呼ばれるラインのひとつ。
1980年代半ばから1990年代半ばにかけて作られ
ダイアナ妃が愛用したことから
いつしか「ダイアナ」の愛称で呼ばれるようになった。
ダイアナ妃は公務のときにも
カジュアルな装いのときにもこのバッグを持っていた。
スーツやドレスだけでなく、ジャケットやニットに合わせている姿も多く
彼女の飾らないスタイルによく似合っていた。
その姿が何度も写真に残り、バッグの名前として「ダイアナ」が定着。
1985年〜1994年頃までで作られたが、現在は廃盤となっているため、
今このデザインに出会えるのはヴィンテージならでは。
#DIOR|LADY DIOR


1994年、デザイナーのジャンフランコ・フェレによって生まれたバッグ。
当時はまだ「Chouchou」という名前で、一般発売前のモデルだった。
転機になったのは1995年。
パリのグラン・パレで開催されたセザンヌ展のオープニングで
フランスのファーストレディ
ベルナデット・シラクからダイアナ妃へこのバッグが贈られた。
その数か月後、アルゼンチンを訪れたダイアナ妃がこのバッグを持って現れる。
その姿が写真に収められ、世界中へ。
ダイアナ妃はすっかりこのバッグを気に入り、
自分の瞳の色に合わせてネイビーブルーもオーダーするほどだったそう。
こうして1996年、彼女にちなんで「Lady Dior」と名付けられた。
item: Lady Dior 2way bag
#GUCCI|JACKIE


1961年にグッチから登場した、半月型のホーボーバッグ。
このバッグを一躍有名にしたのが、
アメリカのファーストレディ ジャクリーン・ケネディ。
公の場ではもちろん、ニューヨークの街を歩くときにもこのバッグを愛用。
"このバッグといえばジャッキー"
というほどそのイメージが定着していった。
そして、彼女の名前をとって「ジャッキー」と呼ばれるように。
特徴は、横にスライドして開くピストン式のクロージャーと、
肩に掛けると自然に体に沿う半月型のフォルム。
きちんとしたファーストレディのスタイルにも、少しラフな普段着にも。
どんなシーンに合わせても、今見ても素敵。
バッグの名前ひとつにも
ちゃんとストーリーがある。
ケリーもバーキンも、最初からその名前だったわけじゃない。
愛されて、いつしかその名前がバッグそのものになった。
写真やエピソードを知ると、
バッグの形や持ち方も少し違って見えてくる。
アイコンバッグを選ぶ時、そのビハインドも覗いてみて。
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